第3回定例区議会で9月20日に橋本牧が一般質問をしました。 |
★ 区長の基本姿勢について
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Q1:国民保護法は戦争体制につながると反対してきたが、練馬区の国民保護計画素案が出された。区内2箇所の自衛隊施設は、攻撃目標になると予測され、攻撃されれば住宅に隣接しており、その被害は甚大である。その認識はあるか? |
A1(危機管理室長): |
武力攻撃事態等の態様は様々であり、特定の施設の存在によって、その地域の危険性の順位を確定できない。国の基本指針ならびに東京都の国民保護計画いずれも特定の事態発生箇所を想定した記載はなく、練馬区国民保護計画の素案においても同様である。 |
Q2:5月に練馬駐屯地で行われた「地震災害等に備えヘリコプターによる離発着訓練と実施」のお知らせが事前に配布された。住民の情報公開請求により、実施目的は災害訓練ではなく、市街地対遊撃訓練の向上にあるとわかった。区に事前説明があったか?災害訓練ではなく、有事訓練であったことについての認識は。 |
A2(危機管理室長): |
練馬駐屯地からの情報提供により、地震災害等に備えた離発着訓練と認識している。 |
Q3:区長は、今年7月自治基本条例を考える区民懇談会の「提言」を受け取り、「本当の自治を実践するためには、自らの規範が必要。」と挨拶した。区長答弁の「板橋区からの分離独立運動以来」の歴史には、他区に先駆けて区長準公選方式を創り出した区長公選条例直接請求の市民運動がある。区民に脈打つ自主・自立への気運の一端と思う。区長はどのように捉えているのか? |
A3(区長): |
板橋区からの分離独立運動、他区に先駆けた自治権の拡充・確立に向けた取り組みは、先人の努力を高く評価している。 |
Q4:1977年に法に則り議決された練馬区基本構想が練馬区のあるべき姿を示し、区の行政計画はこれに基づいているはず。「憲法をくらしに生かすことを基調にして、区民一人ひとりの基本的人権を尊重し、平和と民主主義を守り、真の住民自治を確立すること」を根本にすえ、「緑に囲まれた静かで市民意識の高いまち」をめざしている。そのために掲げた5つの目標の中に『区民が主体となって区政を推進する連帯のまち』を挙げ、区政への積極的な区民参加を求めている。現在、区民に対し区政への参加・参画、協働が求められているが、その前提となる区民の自治意識すなわち市民意識をどのように育んできたのか? |
A4(区長): |
行政情報の公開とともに区民の区政への参加・参画の仕組みづくりが肝要である。附属機関等の会議の公開や区民公募枠の設定、区民意見反映制度や行政評価制度の導入など、その拡充に努めてきた。 |
Q5:区政の主体は区民であり、『自らのまちは自ら治める』という市民意識こそが、まちづくりの基本。いかに社会経済情勢が変わろうとも、基本構想の根本理念はゆるぎないことを、この40数年間、区行政の只中に身を置いてきた区長は、最もよく認識していると思うがどうか? |
A5(区長): |
地方自治の本旨は、団体自治と住民自治をともに確立していくことと認識している。 |
Q6:区長は、練馬区独立60周年の節目に、基本構想を見直す必要があると述べた。しかし、その前に基本構想策定時の市民意識の高まり、脈々と受け継がれてきた区民の自主・自立の気運、根本理念の普遍性を正当に評価し、『本当の自治』とは真の住民自治に基づくものであることを区民に対し明確に示すべきだが? |
A6(区長): |
基本構想の見直しにあたっては、参加・参画の仕組みを通して多様な区民の意見を反映させる。選挙を通じて区民から信託を受けている区議会で審議してもらう。「わがまち練馬」の将来像を70万区民が共有できるよう努める。 |
「自治」はそこに住み、暮らす人が自分たちの地域は自分たちで、責任もって決め、治めていくものだ。一人一人の人権が尊重され、市民が主権者であることが位置づけられ、市民主体のまちづくりがすすめられることが「自治」の基本と私たちは考える。 |
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★ 地域福祉計画と住民自治の推進について |
Q7:地域福祉計画には3つの理念「だれでもがいつでも気軽に地域福祉活動に参加できること」「だれでもが必要なサービスを必要なときにすみやかに受けられること」「だれでもが適切な情報や支援を得て自分らしい安心した生活を送れること」が示されている。実現には、既存の制度だけでは不十分で、地域に必要な機能を必要と思った人達が自主的につくる活動がなければ実現できない。活動する現場をつくることと、それを担おうとする人を育てていくことは、地域福祉活動の両輪。主体作りをもっと積極的に行うべきと考えるが? |
A7
(健康福祉事業本部長): |
地域福祉の推進には、地域住民の自主的な活動への参加が不可欠。地域住民が、地域の福祉活動に参加し、活動を継続していくには、さまざまな支援も必要である。 |
Q8:地域福祉活動は区民任せでなく、区の職員も自治の主体を引き出す役割という認識を持つべき。現場や思いが分からないで、区民のサポートはできない。「地域の課題を解決しなくては」という区民の思いを理解し、形にするために職員は行動すべきだ。ロールプレイングやワークショップなどの手法を生かした研修や、NPOや市民活動の現場での実地研修に力を入れるべきではないか? |
A8
(健康福祉事業本部長): |
地域やNPO団体等との交流を図ることが、相互理解を深め、信頼関係を構築する有意義なことと考える。2004年にNPOとワークショップ形式の職員交流研修を実施した。職員研修については検討していく。 |
Q9:地域福祉に関わる活動を独自に展開している市民団体はたくさんある。課題を解決しようと努力してきた結果であり、行政の計画から実践が生まれてくるわけではない。こういった住民自治の具体的な実践が「自分らしく安心した生活」を作り、地域福祉計画の理念でもある。しかし、活動したいという区民の相談にのれる区の体制は不十分。活動場所の提供や専門家の派遣、研修の合同企画、また、活動がスタートしてからも組織運営の問題など、自主的な活動への具体的な支援に、きちんと費用をかけるべきではないか? |
A9
(健康福祉事業本部長): |
区民の自主的な地域福祉活動に対して、一定の用件のもと運営費の補助制度により支援してきた。また、本年度からは、NPO活動支援センターを設置し、民間非営利活動団体に対する支援も実施していく。今後も必要な支援はしていきたいと考えている。 |
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★ 介護保険制度に関して |
Q10:区独自の介護保険条例に区長の責務を明記したが、この責務を果たしてきたか。特に、区民の立場にたった公正かつ適切なサービスの提供や必要なサービスを選択できるような情報の提供は十分ではなかった。導入から6年間、区はこの責務をどのように果たしてきたのか、また今後どう果たしていくのか? |
A10
(健康福祉事業本部長): |
区長の付属機関である介護保険運営協議会などで意見を聞き、介護保険事業計画を策定し、区報などで内容を公表し、計画的に制度運営を図ってきた。また、サービス内容も各種パンフレットなどで、利用者に必要な情報を可能な限り提供してきた。したがって、条例に規定する区長の責務は果たしてきた。今後も事業計画のもと着実に進めていく。 |
Q11:4月の介護保険制度改定で混乱が生じ、特に介護予防については利用者も家族も困惑している。区は今回、高齢者保険福祉計画・介護保険事業計画の基本理念として「高齢者の自立と自己決定を尊重する」ことを位置づけた。しかし、この改定で「自立と自己決定」がおびやかされている。
要支援1・2の方が主に利用する介護予防サービスは、訪問介護と通所介護で月単位でパッケージされている。利用の有無にかかわらず料金は変わらない。介護予防デイサービスの受け入れが不足し、新規の人は断られてしまう実態がある。これでは、プランがあっても行く場所がなく、「自己決定」を阻害している。基盤整備も不十分だ。このような自己決定が尊重されていない実態を区は把握し、対策を考えているのか? |
A11
(健康福祉事業本部長)): |
導入間もないためサービスを提供できる事業者が十分に行渡ってないと承知している。介護予防サービス事業者への啓発をはかるガイドラインなどの作成に着手した。適正な運用が行われるよう、利用者およびサービス事業者への普及・啓発に努めていきたい。 |
Q12:介護予防ホームヘルプでも介護度が要介護1から要支援へ移った人では、それまで受けられていた生活支援が受けられない例が出ている。例えば、同居の家族が日中不在で、帰りは遅く一人暮らしと同じ状況の場合、今までは利用できた掃除のサービスが、介護予防に変わって受けられなくなり、生活環境の悪化や家族関係に亀裂が入るような状況がある。
本人の希望により自立を援助していくことが、本来の生活援助である。しかし、実際は介護予防にうたわれた「軽度者の状態を踏まえつつ、自立支援の観点にたった効果的、効率的なサービス提供体制の構築」は利用の制限につながり、本当の生活支援にはなっていない。これらは氷山の一角である。
保険者である練馬区にこのような声は届いているのか? 制度とはいいながら、自治体独自の裁量があるはずだ。制度の「はざま」にある人たちを把握し、救済することが区の責務であり、生活支援ホームヘルプの拡充や介護予防の横出しなどの対応策をとるべき。区の対応を伺う? |
A12
(健康福祉事業本部長): |
国の基準をもとに、居宅介護支援事業者等に情報提供を行い、適正な利用が行われるよう努めている。利用者の個々の事情は様々で、一律に取り扱わないよう指導している。今後も実態の把握に努める。また、改正の趣旨は要介護度の軽度者の自立を促すことである。その趣旨を尊重し、生活支援ホームヘルプの拡充や介護予防サービスの横だしなどの対応策を講じることは考えていない。 |
Q13:10月から本格実施される、福祉用具のベッドや車いすの貸与も混乱の一つである。区の利用者調査からも要介護状態になった主なきっかけは「膝や腰等の関節の痛み」が30%ぐらいで最も高く、「骨粗しょう症、骨折」を入れると48、5%になっている。この時期必要なサービスは、住宅改修や福祉用具、ホームヘルパーなど、在宅で生活を続けていくための環境整備や生活の支援である。悪化させないための予防を視点にまず福祉用具が必要。区独自のサービスが必要と考えるがいかがか? |
A13
(健康福祉事業本部長): |
福祉用具貸与サービス制度については、今回の介護報酬改定により、身体の状態に応じて、必要な方が利用すべきという制度の趣旨を徹底していく見地から見直しが行われた。見直しにあたり、一定の条件に該当すれば、引き続き保険給付を受けることができるため、区としては、要介護認定の軽度者であることで機械的に保険給付の対象外としないよう居宅介護支援事業者などに周知徹底を図った。区独自の対策を講じる考えはない。 |
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★ 障がい者の就労について |
Q14:障害者自立支援法が施行され、サービスを利用の負担は応能から応益に変わり、原則一割の利用料負担を求められることになった。障がい者や関係者は「低収入のままで費用負担が増えれば、生活は苦しくなり、家族にも迷惑をかけるのではないか」と大きな不安に駆られている。また、「就労支援の強化」がいわれているが、その受け皿はほとんど整備されていない。現状は障がい者は養護学校卒業者の8割が福祉作業所や福祉園へ2割の方が一般就労である。障がい者本人へのアンケートでも「働く場が欲しい」という声は大きい。働く能力も意欲もあるのに働く場が提供されていない現状がある。練馬区では「区立施設の清掃業務を活用した障害者就労支援事業」「レインボーワーク」「就労サポートねりま」がある。
新長期計画にも「障害者の就労・社会参加を推進する」施策をもち、就職者数を2004年度は18人から2010年度は80人をめざすとしている。しかし、就職をしたけれども職場の人間関係などで躓き、就労が継続できなくなったという話も聞く。私たちは、だれもが参加権をもち、障がいのある人もない人も共に働くという考えを持たなければ、障がい者の就労は発展しないと考えるがどうか?就労に関してのビジョンを聞く
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A14
(健康福祉事業本部長): |
就労は、障がい者が賃金を得て生活の糧を築くだけでなく、働く喜びや生きがいを見出すことや社会参加につながることに大きな意義があると考えている。障害者自立支援法の成立以前から、就労支援の重要性を認識し「レインボーワーク」や「就労サポートねりま」など積極的に取り組んできた。今後は障がい者の就労促進とともに就労後の職場定着支援にも力を入れ、障がい者も地域社会の一員として充実した暮らしができるよう努めていく。 |
Q15:新たなしくみとして、滋賀県の社会的事業所がある。これは作業能力があるのに対人関係などの理由で、一般企業に就労できない人を雇用し障がいのある人も、ない人も対等な立場で、一緒に働ける新しい職場づくりをめざしている事業所に助成するものである。練馬区ではこのような事業を実施する考えはあるか? |
A15
(健康福祉事業本部長): |
「就労サポートねりま」で、パンの製造、販売、喫茶コーナーの運営をするなど、訓練事業所として取り組んでいる。福祉的就労だけでなく、持てる力をより引き出すよう支援を行い、一般企業の理解を得て、一般就労を促進していきたい。なお、就労が継続できなくなった障がい者、一人ひとりの状況に合わせた支援策を構築し、就労に再チャレンジできるような環境づくりをしていく。 |
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★ 子育て支援施策について |
Q16:児童虐待防止法や児童福祉法の改正により、「保育に欠ける」という保育園の入所要件は変化している。練馬区では障がい児の受け入れは以前から積極的に行っているが、最近ではネグレクト傾向にある子どもの受け入れも増加していると聞く。子育て家庭の孤立化や、親の育児不安をはじめ社会的な問題から引き起こされるさまざまな要因により、育児が困難になっている家庭の子どもと親の受け止めが、保育の現場では行われているが、実態の検証はされているか? |
A16
(健康福祉事業本部長):
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保育園の入園理由としてネグレクトなどの児童虐待は、全体に占める割合としては小さいものですが、今年度60件程度が虐待もしくは虐待予防のケースとして数えられる。保育園では虐待事例に個々の対応を図っているが、保育園だけで対応できない事例の場合は、子ども家庭支援センターを中心とした児童虐待防止のネットワークで状況把握や対応をしている。 |
Q17:社会状況の変化に対して、区立保育園に求められるものもより深められる必要が生じている。日常的に子どもを安全に預かることに加え、さまざまな困難を抱える家庭の個別の問題にも応えるためには、職員の配置や技能、職種や連携機関との関係性の整理なども検討されるべきだ。区立保育園に求められているもの、またこれから求められていくものはどういうことだと認識しているのか?
区立保育園を地域の子育て支援の拠点として、地域にある子育て関連の事業者、区民の活動などと連携していく構想作りをすすめるべきと考えるが? |
A17
(健康福祉事業本部長): |
現在、区立保育園全60園において、乳幼児の子育て相談や園庭開放などの地域交流事業を行っている。2005年度の実績では、各園でバラつきはあるが、総計で子育て相談が1851件、地域交流事業では665件の事業に1867人、1件あたり約28人の参加があった。今後、各園の取組の平準化、向上充実が課題と考えている。区立保育園を拠点との提案だが、区全体の対応としては、保育園、児童館など子育てに関連する様々な資源を活用し、子ども家庭支援センターを中心としたネットワークの中で対応すべきと考えている。したがって、地域保育構想については研究課題とする。 |
Q18:現在、各区立保育園では、地域交流や子育て相談が、地域に開かれた事業として行われており、相談件数や事業数、参加する人の数も年々増えている。今までの積み重ねを大切にしながら、さらに地域に開かれた子育て支援の場として、地域保育の構想を持って展開することが大事。
例えば、大阪府吹田市では公立保育園を地域の子育て支援センターと位置付け地域担当保育士を配置し、保健所と連動し、乳幼児の訪問活動を行っている。
また、石川県では妊娠中から地域の保育園に登録し、登録園で育児体験を行ったり、出産後も相談や行事への参加ができるマイ保育園事業に取り組んでいる。
このような取り組みにより、育児不安を取り除き、子育て家庭の孤立化を防ぐことで、児童虐待予防にもつながっている。保育園、保健所、子ども家庭支援センターが連携して、乳幼児宅の訪問活動を含めて誰でも安心して子育てができる環境作り、体制をすすめていくべきではないか? |
A18
(健康福祉事業本部長): |
他の自治体の取組についても参考としながら、関係機関と連携して安心して子育てできる環境づくりを進めていく。 |
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★ 子ども家庭支援センターについて |
Q19:児童虐待相談件数は昨年まで合計144件、211件、275件と増加の一途だ。2004年の児童虐待防止法改正による周知の徹底、通報の義務化などによる件数の増加も考えられるが、年々表面化し、報道される親の子ども虐待死事件など、深刻な社会状況が伺える。
虐待防止の取り組みは、予防、早期発見、保護、支援が連続的に行われる必要がある。児童虐待の背景は多岐に渡り、福祉関係のみならず、医療、保健、教育、警察など地域の関係機関や地域住民の協力体制が構築されてこそ、児童虐待の防止がなされる。子ども家庭支援センターは、児童虐待防止体制の中核的機関である。現在、この子ども家庭支援センターは3人体制で、地域のコーディネーターとして多くの役割を担うには不充分。早急に増員し、充実と機能強化をはかることが必要だが? |
A19
(健康福祉事業本部長): |
子育て支援の中核的機関として、昨年8月、練馬子ども家庭支援センターを開設し、その機能を十分発揮すべく、人員を配意し、事業展開している。職員の増員等については、今後の需要等を勘案しながら、必要な職員体制を整備していく。 |
Q20:「練馬区児童虐待防止協議会」は、区の関係機関と主任児童委員、人権擁護委員、医師などの専門家で構成されているが、中でも人権擁護委員は、子どもの意思の代弁者であり、虐待を子どもの権利擁護の視点で客観的にとらえる重要な役割を持っている。
「ネットワーク会議」は、保育園や小中学校など主として対応すべき関係機関が主催し、保健相談所、児童相談センター、子ども家庭支援センターが、後方支援として関わっていく、子どもにとって最善の方法で検討していく会議のはずである。しかし、対応に重点が置かれ、子どもの意思確認などが見落とされていると思う。ネットワーク会議にも人権擁護委員が参加する必要があると思うが? |
A20
(健康福祉事業本部長): |
ネットワーク会議には、子どもにとって最善の方法を検討するため、区内各関係機関の参加に加えて、必要に応じて東京都児童相談所から心理担当職員が参加しており、面接等を通じた、子どもの置かれた状況、心理、医療等の面からの把握もしている。また、保育園、小中学校、児童館等子どもに接する関係機関が、子どもの心に沿うことで、適切な意思確認を行っている。提案の子どもの意思確認を担う人権擁護委員は、練馬区児童虐待防止協議会の委員として、子どもの権利擁護の立場から発言いただきたいと考えている。 |
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★ 産前・産後のヘルパー事業について |
Q21:育児・介護休業法など法の整備はされたが、夫の長時間労働、育児の支援が受けにくい家庭環境など、母親のみに育児の負担がかかっている実態がある。妊娠期からバックアップするなど、どの妊婦も安心して産める体制、環境整備が緊急に必要。産前・産後のヘルパー事業について、私たちが各区に問い合わせたところ、近隣の杉並、中野、豊島、板橋区などでもすでに実施され年々利用者が増加していると聞いた。区内にも民間のサービスはあるが、利用料金がネックになっている。利用しやすい料金で、受けられるサービスがあったら、本人も家族もどんなにか安心でしょう。一時的な現金給付より、産前から産後まで利用できるサービスを早急に整備することが必要だが、どこまで検討されているのか? |
A21
(健康福祉事業本部長): |
核家族化が進む中、産後の家事援助が必要なときに、親、親戚等の援助が受けられない家庭が増えており、家事援助のサービスの需要が増加しつつあると認識している。子どもの養育について援助が必要な家庭には、過重な負担がかかる前に家事援助や育児の助言を行うことにより、子どもの安定した養育を可能にし、ひいては児童虐待の防止になると考えている。区としては、支援の範囲、支援体制の整備を含め、前向きに検討を進めている。 |
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★ 環境マネジメント独自認証制度について |
Q26:練馬区では今年度から区内事業者に対してISO認証取得への補助金制度が始まった。今年度予算で4事業者各50万円の補助だが、区内事業者数に対しては非常に小さなものだ。区には23,000を越える事業所があるが、そのうち従業員10人以下の事業所が83%を占めている。ISOは国際認証規格なので、輸出を中心とした製造業の事業者にはプレミアがつきメリットが大きくなるが、地域で事業をする小さな企業には認証取得や更新にかかる費用が大きく、重い負担になりかねない。環境マネジメントシステムは、環境配慮の基準を定め、それに沿って事業活動を行うことで、企業活動に環境配慮を取り込んでいくものであり、ISOは手法のひとつに過ぎない。環境マネジメントの手法は環境省の環境活動プログラムや、環境自治体会議のLAS-E、エコアクション21など多様化している。また、自治体独自認証を開発している自治体もたくさんでてきた。より多くの事業者が環境行動をすすめるためにはISOにこだわる必要はなく、区内事業者の実態にあった独自の認証基準をつくるべきだと思うが? |
A22
(環境まちづくり事業本部長): |
ISOは国際標準であり、環境保全活動への貢献のほか、社会的信用を得ることを目的として、企業による認証取得が広がっている。一方、事業活動は自区内で完結する例は少なく、練馬区独自の認証基準が、事業活動にとって有効かつ魅力的なものになるかは、慎重に見極める必要がある。したがって、区独自の認証基準について考えていない。 |
Q23:練馬区は2001年にISO14001の認証を取得し、環境マネジメントを行っている。システムがすでに定着しているのであればISOにこだわる必要はない。水俣市や飯田市のようにISO自己適合宣言を行い自律的なマネジメントに切り替えたところもある。また、自治体同士で認証しあう仕組みや、市民評価委員会を設置して認証を行うなど、さまざまな手法が出されている。ISOの認証が大事なのではなく環境行動の質を上げていくことが、自治体が環境マネジメントを導入する目的のはず。ISO認証更新に大きな予算を取るより、より効果的な手法開発に力を入れる必要がある。ISOからこのような規格に変える考えはないのか? |
A23
(環境まちづくり事業本部長): |
2001年にISOの認証を取得し、更新認定の審査は2004年受けただけで、小中学校、幼稚園に対象拡大して2年足らずである。環境マネジメントシステムは、一定の効果は出ているが、すべての事務事業に十分定着しているとはいえない段階であると考える。したがって、当面は、ISO規格による環境配慮行動の全庁への浸透に努めていく
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Q24:練馬清掃工場で、5 月から7
月に焼却炉の内部温度がダイオキシン対策の800度を下回っていたことが新聞報道された。2
ヶ月に一度の点検、年に一回のオーバーホールをしてさえ、故障が相次いでいる。しかも、その情報が周辺住民や区、区議会にきちんと知らされてこなかった。今後どのように改善されるのか?住民の安全に責任がある区として、清掃工場の事故にどう対応したのか? |
A24
(環境まちづくり事業本部長): |
練馬清掃工場の燃焼管理について、区民の安全に責任を持つ立場から、清掃一部事務組合に対し、維持管理基準の遵守について万全を期すよう強く要請した。なお、工場ではすでに運用マニュアルの見直しや作業者への徹底、設備の点検整備が行われており問題は解消されていると報告を受けた。今後、練馬清掃工場、清掃一部事務組合との情報交換に努めていく。 |
Q25:また一部事務組合は、2008
年から全区での廃プラスチック焼却をすすめるため、実証試験として7 月から品川区で混合収集を始めている。区長も処分場延命のためには苦渋の選択と言っているが、実際には廃プラスチックの埋め立て量は、全体の10%にすぎず、焼却しても延命にはつながらない。サーマルリサイクルとはいえ、熱回収率は20%に満たない現状では、地球温暖化をすすめるだけである。また、重金属等充分な排ガス規制も塩化ビニール規制もないまま焼却すれば大気汚染はさらに悪化する。来年度は練馬区も対象になるが、工場の安全性、環境の安全性をどう担保するのか? |
A25
(環境まちづくり事業本部長): |
ダイオキシン類対策などをはじめとする公害防止対策技術は確立されており、23区の清掃工場で廃プラスチックを燃焼することは問題ないと考えている。今年度、品川区など4区でモデル事業が実施され、清掃工場で排ガス、排水等の調査、確認をする予定。当区も2008年度に同様な取り組みを行う予定。結果は他区の状況もあわせて議会に報告し、公表していく。 |
Q26:清掃工場の運営受託とごみ発電電気販売を目的にした新会社設立計画が今年4月突然浮上した。区議会への報告は7
月だった。私たちは23 区各区長に面談し意向調査を行った。各区長からは、この計画が議論の積み上げのないトップダウンで行われているため、充分周知さていないこと、売電計画が各区のごみ減量計画と矛盾し自治権に抵触すること、東京ガスとの合弁であるため、経営の透明性が確保されないことなどが指摘された。このような問題を抱えたまま、各区に520
万円の出資分担金を負わせて、10 月設立という強行スケジュールである。区長は一部事務組合に対しもっと慎重に行うよう意見表明すべきでは? |
A26
(環境まちづくり事業本部長): |
新会社は清掃工場の運営に必要な技術力を確保しつつ、アウトソーシングを推進するための受け皿とすると理解している。清掃一部事務組合の決定を踏まえ、新会社設立に必要な分担金の追加支出など適切な対応をする。 |
Q27:健康都市宣言と環境都市宣言をし、区民の健康と環境を大切にする練馬区が今なすべきことは、横浜市の「G30プラン」のように分別の徹底と容リ法で定められているその他プラ収集を早急にすすめることだ。横浜市ではゴミ30%
の削減を果たし、2つの清掃工場を閉鎖した。立替費用1100 億円が節約され、CO 2排出量を36
万トン削減した。これは杉の木4500 万本の森林効果に匹敵する。市民は市とともに努力し、この成果に満足しているそうだ。区は練馬工場立替計画撤回を提案し、資源化センターにして資源回収を進める方向を打ち出すべきだが? |
A27
(環境まちづくり事業本部長): |
23区の清掃工場の施設数と規模については、清掃一部事務組合が策定した一般廃棄物処理基本計画において、23区全体から発生するごみ量の推計に基づき、現在の施設数と規模を維持することとしている。この計画に基づき練馬清掃工場の建替え準備を今年度から進めているため、区として建替え計画の撤回を求める考えはない。 |