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6月30日、活動仲間と川崎にあるJFEスチール(日本鋼管と川崎製鉄が合併した会社)の見学に行きました。見学の目的は、ごみになったプラスチックの処理のひとつである、「高炉還元」をこの目で確かめるためです。
JFEスチール社は川崎駅から車で15分?ほどのところにあります。広大な敷地がいくつかのエリアにわかれ、さまざまな施設があり、その広さにまずは驚きました。日本の高度成長をささえた場所なのです。まず、教育センターに案内され、JFEスチール社が行っている環境やリサイクルに関する事業の説明を伺いビデオをみました。鉄鋼メーカーとリサイクルは大きくつながっていて、鉄鋼メーカーのもっているノウハウや設備等で今回目的のその他プラスチック(容器包装リサイクル法でいうプラスチック容器の事)をはじめ、家電やペットボトル、生ごみ等の有機性廃棄物からのバイオガス化などをやっています。 |
高炉還元とは、産廃のプラスチックや家庭から出る容器包装リサイクル法でいう「その他プラスチック」を圧縮し、ベール化したもの(大きなサイコロ状にまとめた物)が運搬されてきます。それを細かくし、異物を取り除いて粒上にし、高炉に投入されます。
この時問題になるのが、塩ビの除去です。プラスチックは、鉄を作るときにコークス(石炭からつくられている)の替わりに還元剤として高炉に投入されます。その時に塩ビなどの塩素系のものがまじらないようにしなくてはなりません。塩ビはダイオキシンや環境ホルモンの問題が大きな社会問題になった頃から量は減ってきているそうですが、ラップ関係などでまだまだ使われることが多くそれを取り除くのがたいへんなのです。また、プラスチックは素材表示が徹底されていないのも大きな問題だと感じました。
最後の高炉に投入するところは、みることが出来ませんでしたが、あたらしいコークスを使うよりも廃プラスチックを還元剤として使うことは、 資源の有効利用につながります。この高炉還元のほかに他の鉄鋼メーカーでは、プラスチックをコークスにして製鉄に利用したり、アンモニア原料にする燃料化も行われています。
新しい清掃工場が建てられる場合、生ごみもプラスチックも一度に処理が出来てしまう「ガス化熔融炉」が計画されていることがあります。膨大な経費がかりますが、国から補助金がでるのです。ガス化熔融炉は、ごく一部を除いてガスも得られず、排出物の熔融スラグは重金属が混じり、炉盤材として使うといいますが、酸性雨の中で重金属が溶出すると指摘されている代物です。また、できたばかりの技術のため、爆発事故も多発しています。
東京の廃プラスチックを既存の炉での焼却やガス化熔融炉(練馬清掃工場も建て替えをひかえています。)の処理に向かわせないように、さらに検討し、より良い答えを見つけたいと思っています。 |
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